くわしく
断熱材は、熱を通しにくい材料です。家の外壁・屋根(または天井)・床に入れて、冬は室内の熱が外へ逃げるのを、夏は外の熱が入ってくるのをおさえます。
熱を通しにくい理由は、中に動かない空気をたくさん閉じこめているからです。細い繊維のすき間に空気をためるものと、小さな泡の中に空気やガスを閉じこめるものがあります。
国土交通省の資料では、断熱が不十分な家は冬に天井付近と床付近の温度差が 10℃以上になる場合があるのに対し、十分に断熱した家は 3℃以内、とされています。「暖房しているのに足元が寒い」の原因の一つが断熱です。
主な種類
| 系統 | 主なもの | 形 |
|---|---|---|
| 繊維系(人造鉱物繊維) | グラスウール・ロックウール | ふわふわのマット状・ボード状・吹込み用 |
| 繊維系(木質など) | セルローズファイバー・木質繊維・ポリエステル繊維 | 吹込み用・ボード状など |
| 発泡プラスチック系 | ビーズ法ポリスチレンフォーム・押出法ポリスチレンフォーム・硬質ウレタンフォーム・フェノールフォーム など | かたい板(ボード)。ウレタンは現場で吹き付けるものもある |
公共建築の木造の標準仕様書でも、断熱材はこの分け方で JIS(JIS A 9521 建築用断熱材 など)の製品から選ぶことになっています。
性能の見方
材料そのものの熱の通しやすさは熱伝導率(λ:ラムダ)で表し、小さいほど熱を通しにくい材料です。国土交通省の「断熱材の種類の例」では、たとえば次のような区分です。
| 断熱材の例 | 熱伝導率 W/(m・K) |
|---|---|
| 住宅用グラスウール 16K相当 | 0.045〜0.041(区分B) |
| 高性能グラスウール 16K相当 | 0.040〜0.035(区分C) |
| 押出法ポリスチレンフォーム 3種 | 0.028〜0.023(区分E) |
ただし家の断熱の強さは、材料だけでなく厚さでも決まります。厚さを熱伝導率で割った値が熱抵抗(R)で、大きいほど熱を通しにくくなります。
壁の中の入り方
木造の家の外壁では、柱と柱の間に断熱材を入れ、室内側に防湿フィルムを張ります。室内の湿った空気が壁の中に入り、冷えて水になる(壁の中の結露)のを防ぐためです。外側には、雨は通さず湿気は通す透湿防水シートと、空気が下から上へ抜ける通気層を設けます。
家づくり・リフォームでは
- すき間なく入れる:断熱材が欠けたり、すき間があったりすると、そこから熱が逃げ、壁の中の結露やカビの原因にもなります。標準仕様書でも「厚さの不ぞろい、欠け等の欠陥がないこと」が求められています。
- 防湿フィルムを破らない:コンセントや配管の穴で防湿層が切れやすい所です。
- 窓も大事:壁や屋根をしっかり断熱しても、窓から熱は出入りします。断熱は壁・屋根・床・窓をまとめて考えます。
- 夏の日差しは外で止める:断熱材は熱の出入りをおさえますが、窓から入る日差しは 庇 などで外側からさえぎります。
書いた人山田の建築ラボ(設計事務所の建築士が、図面・現場の資料や法令で確かめて書いています)
確かめた資料
- 公共建築木造工事標準仕様書 令和7年版 20章2節 断熱・防露工事(表20.2.1 断熱材の種類・20.2.4(5) 防湿層の施工)、10.8.2 外壁通気構法下地(国土交通省)
- 国土交通省「断熱材の種類の例」(断熱材区分と熱伝導率)
- 国土交通省「住宅の省エネルギー 設計と施工 2023」(断熱材の分け方・上下の温度差・断熱材のすき間)
- 国土交通省「建築物省エネ法 省エネ基準に基づく省エネ計算 演習事例」(熱抵抗=厚さ÷熱伝導率)
更新2026-11-07

